大会長挨拶

 この度、平成30年度の第59回日本歯科医療管理学会総会・学術大会を日本歯科大学新潟生命歯学部で開催させていただくこととなりました。新潟での開催は、私の歯科医療管理学分野の恩師でもある本学名誉教授末高武彦先生が大会長をされた平成16年の第45回大会以来14年ぶりになります。

 今回は、「既成との対峙、そして創造へ 〜Dental Singularityを目指して〜」を大会テーマと致しました。前回の大会では西原達次大会長が「歯科医療職の自立と自律 ~プロフェッショナルオートノミー~」をメインテーマとし、いわゆる意識改革も求めるものであったことに続き、今回は行動変容をテーマにしました。

 社会構造の変化に合わせて、歯科医療を取り巻く環境やその意義も変化し、国民が歯科に求める期待は高まってきています。

 歯科医療管理学とは、歯科医学に依拠した臨床管理学と、経済学・経営学などに依拠した経営管理学の2つを相互に補完し合うよう駆使して、良質な歯科医療を患者に提供することを考究する学問とされています。従来は、個々の診療所における施策、歯学を個々の患者に応用する場合に関連した管理運営上の諸問題を考究するものと捉えられていました。しかし、社会保障制度が整備されたことで、人々の健康維持増進は国家ないし社会の責任と考えられるようになり、個々の診療所の運営に関しても、社会制度・施策の影響を強く受けるようになってきました。

 今回のテーマ「既成」はこの前段のみならず現状の制度・施策を意味しますが、これと対峙しただけでは変革は生まれません。創造のないところに変革はないとの思いから、このようなメインテーマを考えました。また、歯科は、往々にして歯科領域だけで対処する傾向が強いことへの反省を踏まえ、広い視野で他の業界へも目を向けるべきとの思いからサブタイトルを付けました。

 プログラムもこのテーマをもとに、基調講演、他業種からの特別講演を2題、歯科界の2トップ(日本歯科医師会会長 堀憲郎先生、日本歯科医学会会長 住友雅人先生)を迎えたシンポジウムを予定し、ランチョンセミナーについても歯科にとらわれない内容を検討しております。

 今回は学会法人化後初の開催となりますので、総会のプログラムも従来とは異なる形式となります。大会に参加された会員各位の記憶に残る、寝せない学会となるよう準備委員一同努力して参りますので、新潟でみなさまをお待ち申し上げております。