会長挨拶

 この度、第57回日本消化器がん検診学会総会の会長を拝命いたしました。伝統ある本学会総会の会長を務めさせていただくことは身に余る光栄に存じます。本総会は平成30年6月8日(金)・9日(土)に、「原点回帰 〜正しい検診を正しく行う〜」をメインテーマに、新潟県民会館ならびにりゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)で開催させていただきます。会場は新潟市の中心に位置し、日本一の大河信濃川の河畔にあります。新潟県民会館をメイン会場といたしますが、両施設は隣接しており、回廊で結ばれております。

 がん検診は死亡率減少を目的として行われるものであり、それは「有効性の確立した検診」を「整備された精度管理の下に実施」することが最も重要であり、質の高い検診は「正しい検診を正しく行う」ことによって担保されるものです。

 平成28年4月から内視鏡による胃がん検診が可能となりましたが、その導入には種々のハードルがあり、思ったほど普及していないのが現状です。また、死亡率減少効果のエビデンスが確立しないまま行われている胃がんリスク層別化検診(いわゆるABC分類)が広く普及してきている現実もあります。胃X線検診では、読影の精度管理とピロリ菌感染に関する適切な情報提供を目的として策定された診読判定区分(カテゴリー分類)が用いられてきていますが、それをもっと普及させていく必要があります。このように、胃がん検診ひとつを取ってみても、それぞれに課題があります。一方、大腸がん検診では、従来の便潜血法に加え、大腸内視鏡やCT colonoscopyによる検診などの新しい展開も見えて来ています。また、腹部超音波がん検診では、質の向上、がん判定基準の均質化、精度評価などを目的にカテゴリー分類が導入されてきていますが、その普及に努める必要があります。

 このような消化器がん検診の現状を踏まえた上で、本総会が、質の高い検診の原点である「正しい検診を正しく行う」にはどうしたよいかをもう一度考えるきっかけになればと思っております。

 日本人の二人にひとりががんにかかり、三人にひとりががんで死亡する時代になっています。早期発見・早期治療の実現をめざして、もう一度原点に立ち返って検診を見直してみませんか。

 6月上旬の新潟は、暑からず寒からず、一年を通して一番気候のよい時期です。是非、新潟にお出でいただき、美味しいお米、美味しい海の幸、美味しい日本酒に舌鼓を打ち、温かく人情味のあるおもてなしに触れていただければと思います。

 本総会が参加される皆様にとって実りあるものとなるよう、精一杯努力させていただきます。

 多くの会員の皆様のご参加を、新潟の地で、お待ちしております。